ふくしおおさか2025年夏号
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オール南花台で取り組む②離れた場所でも受診できる「オンライン診療」負担の減少にむけて3第703号 第703号 この広報紙の作成には共同募金配分金を活用させていただいていますこの広報紙の作成には共同募金配分金を活用させていただいています「クルクル」が運行する南花台地区は、もともと地域住民の活動が活発な地域で、事業開始前から住民主体の運営がベースにあります。例えば設置基準の兼ねあいで地区内に交番が置けないため、スーパーのテナントを無料で借用し防犯ステーションを運営、街の見守り・防犯活動を行ったり、同スーパーの2階に誰もが気軽に立ち寄れるコミュニティ拠点をつくったりと、地域住民の助けあい活動が行われてきました。そんな中、「最寄りの集会所まで歩くのがしんどい」、「買い物帰りが困るようになった」という声を地域から聞くように。年齢を重ねても住み慣れたこの街で充実した生活を送ることができるよう、住民主体型の移動支援としてクルクルの計画がはじまりました。「運行に向けた話しあいの場づくりのため、地域中を駆け回りました」と当時を懐かしそうに話すのは、同社協・地域福祉課長の土どばし橋崇たかき之ゆさん。地区内の2つの福祉委員会や関係団体など、南花台を支える多くの関係者間で何度も話しあいを重ねていくうちに、ベクトルがあっていき、チームになっていく様子を実感したそうです。クルクルは地域住民の出会いの場にそこで、市は河内長野市医師会や関もなっています。同社協の石いしら村む純じゅこ子んさんは「クルクルがあることで生まれるつながりを感じています」と語ります。同じ曜日、同じ時間で利用する住民・スタッフ同士が顔なじみになることもあり、地域の方からは「クルクルがきっかけで友だちができました」との声もありました。これまでも聴覚障がい者の方から手話通訳を通しての利用予約を受けたり、介助者の乗車料金を無償化したりと、運営スタッフ会議でメンバーの「気づき」を検討し多くの方々のニーズに寄り添うことができるように心がけてきました。スタッフの「地域住民のために」という思いが反映された結果でもあります。3月には南花台モビリティ「クルクル」として団体化。今後も“住民主体”を意識しつつ、「自分の街は自分たちで守る」をモットーに、行政、施設や企業がオール南花台で地域の方々の豊かな暮らしを支えていきます。少子高齢化が進む中、自宅で療養を続けている高齢者は、通院が難しくな療」の実証実験に取り組んでいます。タブレットや電子聴診器、心電図アプリを搭載したスマートウオッチ、カメラ機能が搭載されたメガネ型の電子機器“スマートグラス”などの機器を持った訪問看護師が利用者の自宅を訪れ、別の場所にいる医師にオンラインで利用者の様子を伝えます。医師は画面越しに利用者と会話をし、訪問看護師が操作する機器などからの情報により、利用者の状態を観察します。以前は利用者の様子を映すために、タブレットを手で支えながら画角調整していましたが、メガネ型のスマートグラスを活用すれば、両手で利用者を介助しながら、医師に届ける画像の範囲を調整することが可能です。実験の参加者からは「自分一人では通院が難しく、つき添いのため家族にわざわざ休みを取ってもらっていたので、自宅で診てもらえるならありがたい」といった声があがっています。一方、オンライン診療では、対面での診察に比べて、医師が患者から得られる情報に限りがあり、今後どのように活用していくのが良いのか、慎重に考える必要もあります。同市・ウェルネス推進課長の西にしかわ川り在宅診療に頼らざるをえない状況になることが考えられます。一方、医療提供側も、在宅診療の拡大には限界があります。係団体の協力のもと、「オンライン診4面へ続く▼スマートグラス越しに患者の様子や表情が医師に伝わります依えり里さんは、「通院時に本人や家族に

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